Java プラットフォーム 1.2

パッケージ javax.accessibility

ユーザインタフェースコンポーネントとそれらのコンポーネントへのアクセスを提供するユーザ補助機能との間の規約を定義します。

参照:
          説明

インタフェースの概要
Accessible インタフェース Accessible は、ユーザ補助機能パッケージのメインインタフェースです。
AccessibleAction AccessibleAction インタフェースは、1 つ以上のアクションを実行できるすべてのオブジェクトによってサポートされる必要があります。
AccessibleComponent AccessibleComponent インタフェースは、画面に描画されるすべてのオブジェクトによってサポートされる必要があります。
AccessibleHypertext AccessibleHypertext クラスは、画面にハイパーテキスト情報を表示するすべてのクラスの基底クラスです。
AccessibleSelection この AccessibleSelection インタフェースは、現在選択されている子を判定したり、選択されているセットを変更するための標準的な機構を提供します。
AccessibleText AccessibleText インタフェースは、テキスト情報を画面に表示するすべてのクラスによって実装される必要があります。
AccessibleValue AccessibleValue インタフェースは、数値をサポートするすべてのオブジェクト (スクロールバーなど) によってサポートされる必要があります。
 

クラスの概要
AccessibleBundle 強く型付けされた列挙を保持するために使用する基底クラスです。
AccessibleContext AccessibleContext は、すべてのユーザ補助機能を実装するオブジェクトが返す共通の最小情報を表します。
AccessibleHyperlink ハイパーテキストドキュメント内のリンクまたはリンクのセット (たとえば、クライアント側イメージマップなど) のカプセル化です。
AccessibleResourceBundle ユーザ補助機能パッケージで地域対応された文字列を格納するリソースバンドルです。
AccessibleRole クラス AccessibleRole は、コンポーネントのユーザ補助機能を指定します。
AccessibleState クラス AccessibleState は、コンポーネントの個々の状態を記述します。
AccessibleStateSet クラス AccessibleStateSet は、コンポーネントの状態セットを指定します。
 

パッケージ javax.accessibility の説明

ユーザインタフェースコンポーネントとそれらのコンポーネントへのアクセスを提供するユーザ補助機能との間の規約を定義します。Java Accessibility API を完全にサポートする Java アプリケーションは、画面リーダー、画面拡大機能などのユーザ補助機能に対応し、これを支援します。Java Accessibility API を完全にサポートする Java アプリケーションでは、画面リーダーのオフスクリーンモデルを必要としません。その理由は、API がオフスクリーンモデルに通常格納されているすべての情報を提供するからです。

Java Accessibility API パッケージの構成要素は、8 つの Java プログラミング言語インタフェースと 6 つの Java プログラミング言語クラスです。次にそれらについて説明します。

Accessible インタフェース

Accessible インタフェースは、Java Accessibility API の主要インタフェースです。Java Accessibility API をサポートするすべてのコンポーネントは、このインタフェースを実装しなければなりません。このインタフェースの唯一のメソッドは、AccessibleContext クラスのインスタンスを返す getAccessibleContext メソッドです。 ユーザ補助機能に対応するためには、このインタフェースを実装することが、Java アプリケーションのユーザインタフェースを構成するすべてのオブジェクトの必要最低限の絶対条件です。

AccessibleContext クラス

AccessibleContext は、ユーザ補助機能を有するすべてのオブジェクトが返す最小限の情報を表します。このクラスのインスタンスは、Accessible インタフェースを実装するオブジェクトで getAccessibleContext メソッドを呼び出すことで取得できます。この情報には、オブジェクトの親および子についての情報のほか、オブジェクトのユーザアクセスを補助するための名前、説明、機能、および状態 が含まれています。また、JavaBeans TM のプロパティ変更サポートが組み込まれているため、ユーザ補助プロパティの値が変更された場合に、ユーザ補助機能はこの変更を認識できます。AccessibleContext には、コンポーネントのユーザ補助機能についての詳細情報を取得するためのメソッドもいくつかあります。これらのメソッドは、コンポーネントでサポートされている場合に、次のインタフェースを 1 つ以上実装するオブジェクトを返します。

AccessibleRole クラス

このクラスは、ユーザ補助機能を持つオブジェクトのユーザインタフェース場面での機能をカプセル化します。このクラスのインスタンスを取得するには、AccessibleContext で getAccessibleRole メソッドを呼び出します。ユーザ補助機能には、「チェックボックス」、「メニュー項目」、「パネル」などがあります。それらの機能は、このクラスの定数 AccessibleRole.CHECK_BOX、AccessibleRole.MENU_ITEM、および AccessibleRole.PANEL などで識別されます。このクラスの定数は、オブジェクトの共通機能から成る強く型付けされた列挙を示します。このクラスの public コンストラクタは意図的に省略されているため、アプリケーションはこのクラスの定数の 1 つを使うことになります。このクラスには多数の標準機能が事前に定義されていますが、このクラスは拡張可能なので、今後は基底クラスを変更する必要なくプログラマ定義の機能を追加できます。

また、AccessibleRole の定数は、機能を表わす地域対応された文字列を AccessibleResourceBundle クラスから取得することを可能にする toDisplayString メソッドを提供します。このため、プログラマは AccessibleRole で定義された定数を使って国際化されたアプリケーションを開発できます。

AccessibleState クラス

このクラスは、ユーザ補助機能を持つオブジェクトの特定の状態をカプセル化します。ユーザ補助機能の状態には、「Armed (作動準備を整えた)」、「Busy (ビジー)」、「Checked (チェックされた)」、「Focused (フォーカスを持つ)」などがあります。それらの機能は、このクラスの定数 AccessibleState.ARMED、AccessibleState.BUSY、AccessibleState.CHECKED、および AccessibleState.FOCUSED などで識別されます。ユーザ補助機能を持つオブジェクトのすべての状態をまとめたものは AccessibleStateSet と呼ばれ、AccessibleContext で getAccessibleStateSet メソッドを呼び出すことによって取得できます。

このクラスの定数は、オブジェクトの共通機能から成る強く型付けされた列挙を示します。このクラスの public コンストラクタは意図的に省略されているため、アプリケーションはこのクラスの定数の 1 つを使うことになります。このクラスには多数の標準機能が事前に定義されていますが、このクラスは拡張可能なので、今後は基底クラスを変更する必要なくプログラマ定義の機能を追加できます。

AccessibleRole と同じように、AccessibleState の定数は、機能を表わす地域対応された文字列を AccessibleResourceBundle クラスから取得できるようにするための toDisplayString メソッドを提供します。このため、プログラマは AccessibleState で定義された定数を使って国際化されたアプリケーションを開発できます。

AccessibleStateSet クラス

このクラスは、ユーザ補助機能を持つオブジェクトの状態のコレクションをカプセル化します。このクラスのインスタンスを取得するには、AccessibleContext で getAccessibleStateSet メソッドを呼び出します。オブジェクトは複数の状態を持つ場合があるので (たとえば「Checked (チェックされた)」、「Focused (フォーカスを持つ)」の両方)、それらの状態を 1 つにまとめてカプセル化するためにこのクラスが必要となります。このクラスは、状態セットで個々の AccessibleStates を取り出すためのメソッドを提供します。

AccessibleBundle クラス

このクラスは、強く型付けされた列挙を管理するために使われます。これは、AccessibleRole クラスおよび AccessibleState クラスのスーパークラスです。通常、プログラマはこのクラスを直接操作するのではなく、AccessibleRole クラスと AccessibleState クラスを使います。

AccessibleResourceBundle クラス

このクラスは、AccessibleRole クラスおよび AccessibleState クラスの地域対応された文字列を格納します。AccessibleBundle と同じように、通常、プログラマはこのクラスを直接操作するのではなく、AccessibleRole クラスおよび AccessibleState クラスを使います。

AccessibleAction インタフェース

AccessibleAction インタフェースは、1 つ以上のアクションを実行できるすべてのオブジェクトによってサポートされます。このインタフェースは、アクションの種類を判別したり、オブジェクトにアクションの実行を通知するための標準の機構をユーザ補助機能に提供します。操作可能なオブジェクトはすべて、このインタフェースをサポートします。

アプリケーションは、まず AccessibleContext (Accessible を参照) を取得し、次に AccessibleContext の getAccessibleAction メソッドを呼び出すことによって、オブジェクトが AccessibleAction インタフェースをサポートしているかどうかを判断します。戻り値が null ではない場合、オブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

AccessibleComponent インタフェース

AccessibleComponent インタフェースは、画面に描画されるすべてのオブジェクトによってサポートされます。このインタフェースは、オブジェクトのグラフィカルな表現を判別および設定するための標準の機能をユーザ補助機能に提供します。

アプリケーションは、まず AccessibleContext (Accessible を参照) を取得し、次に AccessibleContext の getAccessibleComponent メソッドを呼び出すことによって、オブジェクトが AccessibleComponent インタフェースをサポートしているかどうかを判別します。戻り値が null ではない場合、オブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

AccessibleSelection インタフェース

AccessibleSelection インタフェースは、現在選択されている子を判別したり、選択セットを変更するための標準の機構をユーザ補助機能に提供します。選択可能な子を持つオブジェクトはすべて、この AccessibleSelection インタフェースをサポートします。

アプリケーションは、まず AccessibleContext (Accessible を参照) を取得し、次に AccessibleContext の getAccessibleSelection メソッドを呼び出すことによって、オブジェクトが AccessibleSelection インタフェースをサポートしているかどうかを判別します。戻り値が null ではない場合、オブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

AccessibleText インタフェース

AccessibleText インタフェースは、編集可能なリッチテキストをユーザ補助機能で扱えるものにするための規約です。画面に表示されるすべてのテキストが編集可能なリッチテキストというわけではありません。たとえば、ボタン、ラベル、メニューなどのテキストをユーザは操作しません。ただし、編集可能なテキストを持つオブジェクトは、ユーザ補助機能と連動するためには、AccessibleText インタフェースを実装しなければなりません。

このインタフェースは、テキストの指定された位置にあるか、その前後にある文字、単語、および文を取り出すために、ピクセル座標と指定されたピクセル座標にあるテキストの間を行き来できるようにします。このインタフェースを使うと、テキスト内の指定された位置にある文字の属性 (フォント、フォントサイズ、スタイルなど) を取り出したり、選択されているテキスト (存在する場合)、そのテキストの長さ、およびテキストキャレットの位置を取得することができます。

アプリケーションは、まず AccessibleContext (Accessible を参照) を取得し、次に AccessibleContext の getAccessibleText メソッドを呼び出すことによって、オブジェクトが AccessibleText インタフェースをサポートしているかどうかを判断します。戻り値が null ではない場合、オブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

AccessibleHypertext インタフェース

AccessibleHypertext インタフェースは、画面でハイパーテキスト情報を表示するすべてのオブジェクトによってサポートされます。このインタフェースは、内容、属性、および空間位置を介してテキストにアクセスするための標準の機構をユーザ補助機能に提供します。また、ハイパーリンクを操作するための標準の機構も提供します。アプリケーションは、まず AccessibleContext (Accessible を参照) を取得し、次に AccessibleContext の AccessibleContext.getAccessibleText() メソッドを呼び出すことによって、オブジェクトが AccessibleHypertext インタフェースをサポートしているかどうかを判断します。戻り値が AccessibleHypertext を拡張するクラスの場合、そのオブジェクトは AccessibleHypertext をサポートしています。

AccessibleHyperlink インタフェース

ハイパーリンクであるオブジェクトは、AccessibleHyperlink インタフェースをサポートします。このインタフェースを実装するオブジェクトは、 AccessibleHypertext オブジェクトで getLink メソッドを呼び出すことによって返されます。

AccessibleValue インタフェース

AccessibleValue インタフェースは、数値をサポートするすべてのオブジェクト (スクロールバーなど) によってサポートされます。このインタフェースは、数値を判別および設定したり、最小値および最大値を取得するための標準の機能をユーザ補助機能に提供します。

アプリケーションは、まず AccessibleContext (Accessible を参照) を取得し、次に AccessibleContext の getAccessibleValue メソッドを呼び出すことによって、オブジェクトが AccessibleValue インタフェースをサポートしているかどうかを判断します。戻り値が null ではない場合、オブジェクトはこのインタフェースをサポートしています。

導入されたバージョン:
JDK1.2
Java プラットフォーム 1.2
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