java.awt
クラス AlphaComposite

java.lang.Object
  |
  +--java.awt.AlphaComposite

public final class AlphaComposite

extends Object

implements Composite

この AlphaComposite クラスは、グラフィックスおよびイメージの混合および透明化効果を実現するために、ソースのピクセルとデスティネーションのピクセルを結合するための基本的なアルファ重ね合わせ処理規則を実装します。このクラスによって実装される規則は、T. Porter および T. Duff 共著の『Compositing Digital Images』(SIGGRAPH 84, 253〜259) に記述されている Porter-Duff 規則のサブセットです。

入力がアルファチャネルを持たない場合は、すべてのピクセルがアルファ値 1.0 (完全に不透明) と見なされます。また、ソースのピクセルのアルファ値に定数アルファ値を掛けるように指定することもできます。

規則の説明では、次の省略名が使用されます。

• Cs = ソースピクセルの色成分の 1 つ
• Cd = デスティネーションピクセルの色成分の 1 つ
• As = ソースピクセルのアルファ成分
• Ad = デスティネーションピクセルのアルファ成分
• Fs = ソースピクセルのうち、出力に影響を与える部分
• Fd = 入力デスティネーションピクセルのうち、出力に影響を与える部分

合成オペレーションによって生成される色およびアルファ成分は次のように計算されます。

 	Cd = Cs*Fs + Cd*Fd
 	Ad = As*Fs + Ad*Fd

Fs と Fd はそれぞれの規則によって指定されます。上記の等式は、ソースとデスティネーションのピクセルがどちらも、あらかじめアルファ成分が乗算された色成分を持つことを前提としています。また、次の重ね合わせ処理規則の定義で表される等式は、あらかじめ乗算されたアルファを前提としています。

パフォーマンス上の理由のため、AlphaComposite クラスによって作成された CompositeContext オブジェクトの重ね合わせメソッドに渡される Raster は、乗算実施済みのデータを持つことが望まれます。ただし、ソースまたはデスティネーションのどちらかの Raster が未乗算である場合、合成オペレーションの前とあとに適切な変換が実行されます。

合成オペレーションの結果のアルファは、デスティネーションにアルファチャネルがある場合はデスティネーションに格納されます。そうでない場合、結果の色はデスティネーションに格納される前に結果のアルファで除算され、アルファは破棄されます。アルファ値が 0.0 であれば、カラー値は 0.0 に設定されます。

関連項目:

Composite, CompositeContext

フィールドの概要

static AlphaComposite	Clear 1.0f のアルファを持つ、不透明の CLEAR 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。
static int	CLEAR Porter-Duff Clear 規則です。
static int	DST_IN Porter-Duff Destination In Source 規則です。
static int	DST_OUT Porter-Duff Destination Held Out By Source 規則です。
static int	DST_OVER Porter-Duff Destination Over Source 規則です。
static AlphaComposite	DstIn 1.0f のアルファを持つ、不透明の DST_IN 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。
static AlphaComposite	DstOut 1.0f のアルファを持つ、不透明の DST_OUT 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。
static AlphaComposite	DstOver 1.0f のアルファを持つ、不透明の DST_OVER 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。
static AlphaComposite	Src 1.0f のアルファを持つ、不透明の SRC 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。
static int	SRC Porter-Duff Source 規則です。
static int	SRC_IN Porter-Duff Source In Destination 規則です。
static int	SRC_OUT Porter-Duff Source Held Out By Destination 規則です。
static int	SRC_OVER Porter-Duff Source Over Destination 規則です。
static AlphaComposite	SrcIn 1.0f のアルファを持つ、不透明の SRC_IN 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。
static AlphaComposite	SrcOut 1.0f のアルファを持つ、不透明の SRC_OUT 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。
static AlphaComposite	SrcOver 1.0f のアルファを持つ、不透明の SRC_OVER 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

メソッドの概要

CompositeContext	createContext(ColorModel srcColorModel, ColorModel dstColorModel, RenderingHints hints) 合成オペレーションのコンテキストを作成します。
boolean	equals(Object obj) 指定された Object がこの AlphaComposite オブジェクトと等しいかどうかを判定します。
float	getAlpha() この AlphaComposiste のアルファ値を返します。
static AlphaComposite	getInstance(int rule) 指定された規則を使って AlphaComposite オブジェクトを作成します。
static AlphaComposite	getInstance(int rule, float alpha) 指定された規則とソースのアルファに掛ける定数アルファを使って AlphaComposite オブジェクトを作成します。
int	getRule() この AlphaComposite の重ね合わせ処理規則を返します。
int	hashCode() この重ね合わせ処理のハッシュコードを返します。

クラス java.lang.Object から継承したメソッド

clone, finalize, getClass, notify, notifyAll, toString, wait, wait, wait

フィールドの詳細

CLEAR

public static final int CLEAR

Porter-Duff Clear 規則です。デスティネーションの色およびアルファの両方がクリアされます。ソースとデスティネーションのどちらも入力として使用されません。

Fs = 0 および Fd = 0 の場合、次のようになります。

 	Cd = 0
 	Ad = 0

SRC

public static final int SRC

Porter-Duff Source 規則です。ソースがデスティネーションにコピーされます。デスティネーションは入力として使用されません。

Fs = 1 および Fd = 0 の場合、次のようになります。

 	Cd = Cs
 	Ad = As

SRC_OVER

public static final int SRC_OVER

Porter-Duff Source Over Destination 規則です。ソースはデスティネーションの上に重ね合わせられます。

Fs = 1 および Fd = (1-As) の場合、次のようになります。

 	Cd = Cs + Cd*(1-As)
 	Ad = As + Ad*(1-As)

DST_OVER

public static final int DST_OVER

Porter-Duff Destination Over Source 規則です。デスティネーションはソースの上に重ね合わせられ、この結果生成された色によりデスティネーションが置き換えられます。

Fs = (1-Ad) および Fd = 1 の場合、次のようになります。

 	Cd = Cs*(1-Ad) + Cd
 	Ad = As*(1-Ad) + Ad

SRC_IN

public static final int SRC_IN

Porter-Duff Source In Destination 規則です。ソースのデスティネーション内部にある部分によりデスティネーションが置き換えられます。

Fs = Ad および Fd = 0 の場合、次のようになります。

 	Cd = Cs*Ad
 	Ad = As*Ad

DST_IN

public static final int DST_IN

Porter-Duff Destination In Source 規則です。デスティネーションのソースの内部にある部分によりデスティネーションが置き換えられます。

Fs = 0 および Fd = As の場合、次のようになります。

 	Cd = Cd*As
 	Ad = Ad*As

SRC_OUT

public static final int SRC_OUT

Porter-Duff Source Held Out By Destination 規則です。ソースのデスティネーションの外にある部分によりデスティネーションが置き換えられます。

Fs = (1-Ad) および Fd = 0 の場合、次のようになります。

 	Cd = Cs*(1-Ad)
 	Ad = As*(1-Ad)

DST_OUT

public static final int DST_OUT

Porter-Duff Destination Held Out By Source 規則です。デスティネーションのソースの外にある部分によりデスティネーションが置き換えられます。

Fs = 0 および Fd = (1-As) の場合、次のようになります。

 	Cd = Cd*(1-As)
 	Ad = Ad*(1-As)

Clear

public static final AlphaComposite Clear

1.0f のアルファを持つ、不透明の CLEAR 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

関連項目:

CLEAR

Src

public static final AlphaComposite Src

1.0f のアルファを持つ、不透明の SRC 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

関連項目:

SRC

SrcOver

public static final AlphaComposite SrcOver

1.0f のアルファを持つ、不透明の SRC_OVER 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

関連項目:

SRC_OVER

DstOver

public static final AlphaComposite DstOver

1.0f のアルファを持つ、不透明の DST_OVER 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

関連項目:

DST_OVER

SrcIn

public static final AlphaComposite SrcIn

1.0f のアルファを持つ、不透明の SRC_IN 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

関連項目:

SRC_IN

DstIn

public static final AlphaComposite DstIn

1.0f のアルファを持つ、不透明の DST_IN 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

関連項目:

DST_IN

SrcOut

public static final AlphaComposite SrcOut

1.0f のアルファを持つ、不透明の SRC_OUT 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

関連項目:

SRC_OUT

DstOut

public static final AlphaComposite DstOut

1.0f のアルファを持つ、不透明の DST_OUT 規則を実装する AlphaComposite オブジェクトです。

関連項目:

DST_OUT

メソッドの詳細

getInstance

public static AlphaComposite getInstance(int rule)

指定された規則を使って AlphaComposite オブジェクトを作成します。

パラメータ:

rule - 重ね合わせ処理規則

getInstance

public static AlphaComposite getInstance(int rule,
                                         float alpha)

指定された規則とソースのアルファに掛ける定数アルファを使って AlphaComposite オブジェクトを作成します。デスティネーションと重ね合わせられる前に、ソースは指定されたアルファで乗算されます。

パラメータ:

rule - 重ね合わせ処理規則

alpha - ソースのアルファに掛ける定数アルファ。alpha は、範囲 [0.0, 1.0] (両端を含む) の浮動小数点数値でなければなりません

createContext

public CompositeContext createContext(ColorModel srcColorModel,
                                      ColorModel dstColorModel,
                                      RenderingHints hints)

合成オペレーションのコンテキストを作成します。コンテキストには、合成オペレーションを実行するために使用される状態が設定されます。

定義:

インタフェース Composite 内の createContext

パラメータ:

srcColorModel - ソースの ColorModel

dstColorModel - デスティネーションの ColorModel

戻り値:

合成オペレーションを実行するために使用される CompositeContext オブジェクト

getAlpha

public float getAlpha()

この AlphaComposiste のアルファ値を返します。この AlphaComposiste がアルファ値を持たない場合は、1.0 が返されます。

戻り値:

この AlphaComposite のアルファ値

getRule

public int getRule()

この AlphaComposite の重ね合わせ処理規則を返します。

戻り値:

この AlphaComposite の重ね合わせ処理規則

hashCode

public int hashCode()

この重ね合わせ処理のハッシュコードを返します。

戻り値:

この重ね合わせ処理のハッシュコード

オーバーライド:

クラス Object 内の hashCode

equals

public boolean equals(Object obj)

指定された Object がこの AlphaComposite オブジェクトと等しいかどうかを判定します。

パラメータ:

obj - 等しいかどうかを判定する Object

戻り値:

obj がこの AlphaComposite と等しい場合は true、そうでない場合は false

オーバーライド:

クラス Object 内の equals